Thalassoma cupido
IOPの転石砂場の岸よりに、サンゴイソギンチャクがたくさん生えてる岩があるんです。ここは、夏にはクマノミが産卵し、秋にはヒメゴンベやサラサゴンベやオトメベラなどの死滅回遊魚が見られたり、なかなか楽しい場所なんです。
年も明けて水温がぐぐっと下がったころにこの岩を覗いたら、死滅回遊魚は軒並み死滅しちゃってて、クマノミはイソギンチャクの布団に包まって出てこようともしない。その中で、一匹のニシキベラが寝そべってるのを見つけた。ニシキベラ自体は伊豆の浅い岩礁ならどこでも見れる魚なんですが、だいたいはせわしなく泳ぎまわってることが多いのです。ところが、こいつは無防備に寝そべってる。いつ行っても寝そべってる。目の前でストロボを焚くと面倒くさそうに泳ぎ出すんだけど、のんびりしてるな~。まだ2時過ぎだよ、寝るには早いよ!!(笑)
人間の世界でもグータラなヤツがいるように、魚の世界でもグータラな性格のヤツがいるんですね。ミョ~に親近感が沸く1匹でした。
(2000-02 IOP -15m)
背ビレに黒点がたくさん並ぶのがニシキベラのチビッコの特徴です。他のニシキベラ属のベラ達に比べて、伊豆では圧倒的に数が多いハズですが、意外とニシキベラのチビッコと意識して見てる人は少ないかも。
(2008-05 大瀬崎 -2m)
オトメニシキ(オトメベラとニシキベラのハイブリッド)に初めて出会ったとき、当初は「これがひょっとしてニシキベラのTP(Terminal Phase)かな?」って思ったので、比較用にそのあたりで一番大きなニシキベラを撮影したのがこの写真です。ニシキベラにTPがいるとしたら一番大きなヤツはTPに違いないと考えたからなのですが、うーん・・・他のヤツラとココが違うってのが無いなぁ。
(2011-11 大瀬崎 -3m)
この日は27℃の高水温のせいか、柵下@大瀬崎のニシキベラは軒並み薄緑な体色になっていました。みんながみんな、同じような体色になるのは面白いなぁと眺めていたら、目の覚めるような鮮やかなブルーのヤツが視界を横切って行きました。この機敏な動き、僕が追いかけても追いつけないスピードで先端方面あるいは大川方面に泳ぎ去って行くこの泳ぎは、以前出会ったTPオトメニシキと同じです。ってことは、コイツもニシキベラのTPなんじゃないかと思うのですが、写真に撮ってみると「ここがこうだからTPだ」と言えるような特徴が見出せません。うーん、肉眼では何となく青っぽく見えるのですが、そんなのTPって言えるのでしょうか?ニシキベラのTPは体色ではなく、ほとんど動きだけでTP♂であることを表現しているのでしょうか?
(2013-08 大瀬崎 -6m)
♀に対してディスプレイ中のニシキベラ。胸ビレを小刻みに動かして、胸鰭の黒斑を強調したダンスに見えます。と言うか、黒斑が出てなかったらこのディスプレイは意味ないでしょう!!でも、幼魚でも出してることがあるこの黒斑、婚姻色ともTP色とも興奮色とも言い難いのですが、何と呼べば良いのでしょう?
ちなみに、この日に黒斑を出してるのは♂と思しき2個体だけでした。
(2013-08 大瀬崎 -6m)
「今週の〇〇~!! 第542回 ハッキリの♂(2015-07-12)」より
週末の大瀬崎、浅場ではニシキベラの産卵が始まっていました。
そしてこの日は、ニシキベラのTPオスが見た目でハッキリ識別できました。周りのIP達と比べると中心のラインが薄く、青さが際立っていたし、縄張りを持つ♂らしい行動と照らし合わせてもTPオスと言えそうです。
そして、メスにディスプレイするときだけ胸ビレの先を黒くしていました。この胸ビレの黒斑の意味も、あいかわらずよくわかりませんが、ちょっとニシキベラと仲良くなれた気がします。(^^)
(2015-07 大瀬崎 -7m)
高速で上昇するニシキベラの産卵の瞬間をスチールカメラで捉えるのは全然うまく行かないので、産卵前の様子を載せておきます。
中層で数匹がモヤモヤ集まって、ここからバビュンと高速に泳ぎ上がって放精放卵します。
よく見るとオトメベラが放精放卵に参加しようとしていますね。この後巻かれてましたが。。。(^^;)
(2021-06 大瀬崎 -5m)
伊豆では浅場の岩礁でよく見かけます。
★☆☆☆☆:伊豆で周年会える普通種です。
繁殖期のニシキベラです。伊豆の海では一年中見かけるニシキベラですが、やっぱり繁殖期は体色が鮮やかでキレイですね。表情もどことなくウキウキしているような。。。(^^
(2004-06 IOP(伊豆海洋公園) -14m)