Pomacentrus coelestis
伊豆の海を何年潜っても、ソラスズメのブルーには飽きが来ないです。冬には真っ黒になっちゃうけど、水温の上昇に合わせてブルーが復活してきて、いずずきは夏の訪れを感じるのでした。
(2019-06 大瀬崎 -2m)
卵からかえったばっかりのソラスズメダイは浮遊生活を送るのですが、そのときの体の色は透明なのだそうです。あの輝くブルーは着底したらわりとすぐ出るそうで、逆に言えば透明なソラスズメダイがいたら、それは着底直後って事なのだそうです。
ただ、浮遊生活を送るには体が透明な方が都合が良いのはわかるけど、着底したからと言ってキレイな色になる必要も無いようにも思えるんですけど。。。
台風後のIOPに潜ったとき、何故かたくさんの石の上にソラスズメダイの卵がありました。普通ソラスズメダイは岩の下を掘って、その穴の天井(つまり石の下)に卵を産み付けるのですが、その卵が石の上にあったのは台風で石がひっくり返されちゃったためなのでしょう。
石の上にある卵を守りきれないと悟った♂は、自ら卵を食べちゃうようです。
輝くブルーが僕らを魅了するソラスズメダイですが、冬になって水温が低くなってくるとジミな黒いサカナになってしまいます。なんてコメントを頭に浮かべながら黒くなったソラスズメを撮ろうとしたのですが、これが案外難しかった。黒い体色のソラスズメダイはテンションが低くて、すぐ石の下に隠れちゃったり尻尾だけ岩陰に入ってたりして、軽くイラつきます。
(2005-12 大瀬崎 -5m)
なんだか丸っこくて、見る角度によって白っぽく見えるヘンなソラスズメダイがいると思ったら、湯引きしたみたいにウロコが逆立っていました。目も少し突き出してるようで、痛々しい姿です。。僕はこんな状態のサカナを今まで見たことが無いのですが、単なる太り過ぎってことは無いですよね。。。(^^;;
(2007-09 IOP -5m)
ソラスズメダイは夏になると伊豆の海でも産卵しますが、産卵が始まる前から赤ちゃんの姿を見かけます。この赤ちゃんは南の海からの流れ者なのだそうです。ソラスズメダイは伊豆に定着したサカナでもあり、死滅回遊魚でもあるってことになるのかな???というより、死滅回遊魚という人間が作った言葉に、自然の生き物はそうそう当てはまる訳がないって事なのでしょう。ひょっとして秋に出会うチビッコ達だって、伊豆生まれはほとんどいなかったりして。
(2011-10 大瀬崎 -6m)
「今週の〇〇~!! 第516回 身近な妄想源(2014-04-28)」より
もう春だといいうのに、水温も17℃まで上がってきたというのに、この日大瀬崎のソラスズメダイは8割は真っ黒でした。 写真で見るとまだうっすら青っぽく見えるけど、肉眼では真っ黒に見えます。ナガサキスズメダイのオトナぐらいの感じ。
冬は活性が落ちるから黒くなるんだと思ってたのですが、結構黒いままでも中層に泳ぎあがって食事してることもあるので、単純に活性が低いだけでもなさそう。
黒いヤツとなんとなく青いヤツを比較すると、黒いヤツのほうがお肌が荒れてるようにも見えます。 黒いヤツラは体調が悪いってことなのかな? 他の地域では、もっと水温低くても青々したソラスズメがいるよって話を聞くと、ここ数年の冬場の高水温で、低水温への耐性が低い遺伝子が増えてるのか?とか、病気が流行ってるのか?とか、いろいろ妄想してしまいます。
見直してみると色々と発見があるものです。
(2014-04 大瀬崎 -7m)
伊豆全般の浅い岩場にはどこにでもたくさんいます。
★☆☆☆☆:伊豆で周年会える普通種です。
ソラスズメは、僕をダイビングの世界にいざなった魚です。
もし、あなたが伊豆の海に潜ったことがないなら、初めて潜ったときにこの魚が目に飛び込んでくることでしょう。僕も大瀬崎の湾内で、初めてスキンダイビングをしたとき、このブルーの魚を見て感動しました。見た目はただの海なのに熱帯魚がいるー!!ってね。ダイビングを始めて6年間伊豆の海を潜りつづけてますが、いまだにソラスズメの群れには心奪われてしまいます。もし伊豆にソラスズメがいなかったら。。。。さびしーだろーなー!
このソラスズメという魚、コバルトブルーのがいたり、シックな色のがいたり、若いときは尻尾が黄色かったり、寒い冬にはみんなで真っ黒くなったり、いろんなブルーを楽しませてくれます。
(2007-09 大瀬崎 -5m)