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キンセンイシモチ

Ostorhinchus properuptus

解説

キンセンイシモチ(ライン型)以前、キンセンイシモチはスジオテンジクダイと混同されていて、目の下のラインが点の列になってるスジオテンジクダイをドット型、ライン状になってるキンセンイシモチをライン型と呼んでいました。この写真を撮ったときは、まだライン型と呼んでいました。
(2007-09 IOP(伊豆海洋公園) -5m)

キンセンイシモチ(ライン型)ライン型は死滅回遊魚って話を聞いて、11月のIOPでキンセンイシモチ(ライン型)のチビの群れで、目の下のラインに目を凝らしてみたんだけど、うーん、、、なんかラインタイプのほうが多いような。。。
(2003-11 IOP -26m)

キンセンイシモチ(ライン型)2003年の11月には、ドットタイプよりラインタイプのほうが目に付いたのですが、結局2004年の夏にIOPではラインタイプのオトナに会うことはできませんでした。と言うより、ドット型を含めてIOPでは夏まで持ちこたえて繁殖してるキンセンイシモチがほとんどいませんでした。きっと水温だけが原因ではないのでしょうね。
2004年12月時点では結構成長していますが、2005年はどうかな?
(2004-12 IOP -22m)

沖縄のキンセンイシモチ(ライン型)「今週の〇〇~!! 第341回 いずずき@ケラマ-1(2007-05-03)」より
今年も慶良間に行ってきました。オニヒトデの食害で壊滅的だったサンゴも、小さいのがポツポツ根付いてて少しは復活の兆しも見えるのですが、今度は突然白化する現象が起きてるそうで、バランスを取り戻すのはなかなか難しいことのようです。
ところで、今回は慶良間でドット型を真剣に探してみたのですが、やっぱりいませんね~。
(2007-04 慶良間 -8m)

越冬したキンセンイシモチ(ライン型)「今週の〇〇~!! 第345回 夏のお楽しみ(2007-06-05)」より
2006年~2007年IOPの冬は低水温期が短かったため、死滅回遊魚と言われるサカナ達がいろいろと越冬しています。その中でも、僕が初夏のIOPで初めて出会う注目のサカナがコイツ、キンセンイシモチのラインタイプです。まだペアにはなっていなくて、数匹が固まってる幼稚園状態でしたが、身体の小さなキンセンイシモチ(ライン型)はひと冬越せば夏には繁殖可能になるだろうから、この夏にはラインタイプの産卵をIOPで拝めちゃうってワケです。
妄想無くして潜水無し。(笑)
(2007-06 IOP -11m)

口内保育中「今週の〇〇~!! 第356回 沸いた(2007-08-21)」より
今年のIOPではキンセンイシモチ(ライン型)が多数越冬していて、これは繁殖行動が見られるんじゃないかと期待していましたが、卵を咥えてる♂が確認できました。しかも3ペア。前の週にラインタイプのペアを探したときは1ペアも見つけられず、台風で荒れたときにいなくなっちゃったのかな?とあきらめていただけに衝撃です。幸か不幸かこの日産卵したばかりなヤツはいませんでしたが、どこから沸いたのでしょう?いやっ、僕の目が節穴過ぎ??
(2007-08 IOP -5m)

つっつき2007年の夏はライン型がIOPで口内保育する姿を見ることができたんで、当然あわよくば産卵も観察したいと思ってライン型ペアのもとに通ったのですが、ある朝会いに行ったペアの♀が♂に寄り添ってツンツンしてたから、「おっ!産卵前の行動か?」と思って近づいてよく見たら、♂の口には既に卵が入っていました。「エッ!」これはひょっとして産卵直後!!??テンジクダイの仲間でこんな早い時間に産卵することもアリなのか~!!?(@_@)
(2007-08 IOP -5m)

大瀬崎の個体「今週の〇〇~!! 第429回 意味不明にレア(2010-11-07)」より
IOPではキンセンイシモチのチビッコは半分以上ライン型ってイメージですが、大瀬崎でライン型に出会ったのは今回が初めて!ほとんど見かけることはありません。IOPと大瀬崎を比べたとき、IOPは外洋っぽくて大瀬崎は内湾っぽいとか、IOPは伊豆諸島に近くて大瀬崎は深海に近いとか、環境の違いがあるから出会える生き物も違うのが理解できるのですが、このキンセンイシモチライン型がナゼ大瀬崎に少ないのかは、さっぱりわかりません。ナゼ~??
(2010-10 大瀬崎 -17m)

2013年3月に発刊された日本産魚類検索 全種の同定 第三版(東海大学出版会)によると、キンセンイシモチ・ライン型と呼ばれていたサカナが本当のキンセンイシモチ(Apogon properuptus)だったようです。キンセンイシモチ・ドット型と呼ばれていたサカナは、ペルシャ湾にいるApogon Holotaeniaと同じ種類ってことになって、スジオテンジクダイという新しい和名がつけられました。

2015年4月に学名が見直されたようです。

お腹がぺったんこのキンセンイシモチ「今週の〇〇~!! 第598回 ちゃんと食べてください(2018-03-24)」より
2018年の春、死滅回遊魚が頑張って寒さに耐えていました。
夏に向かって期待が膨らむところではありますが、大瀬で貴重なキンセンイシモチは、お腹がペッタンコでこの先乗り切れるのか心配です。
みんなちゃんと食べて、無事に越冬してくれるといいなぁ。
(2018-03 大瀬崎 -20m)

キンセンイシモチのチビッコキンセンイシモチのチビッコは尾の辺りが黄色くなるのが特徴です。チビッコの頃の方がスジオテンジクダイと見分けやすいです。
(2021-07 大瀬崎 -5m)

キンセンイシモチの求愛2021年は、大瀬崎でも多くのキンセンイシモチが越冬して、夏には繁殖していました。
スジオテンジクダイとは違って朝に産卵するためか、夜に求愛していました。これ、一晩中やってるってことですかねー。寝なくて良いのかな?
(2021-07 大瀬崎 -6m)

キンセンイシモチの求愛「今週の〇〇~!! 第716回 夏休みの中学生(2022-08-27)」より
越冬物のキンセンイシモチがたくさんいる2022年の夏、夜に寝ているキンセンイシモチを見かけることがあります。テンジクダイの仲間はみんな夜行性で、夜は活発に餌を食べたりしているもんだと思ってたけど、夜に求愛して朝に産卵するキンセンイシモチは、他のテンジクダイたちとは生活のリズムも少し違うのかもしれませんね。夏休みの間に昼夜が逆転しちゃった中学生と同じにようなものかな?
(2022-08 大瀬崎 -7m)

キンセンイシモチの産卵「今週の〇〇~!! 第751回 知らなきゃ狙えないヤツ(2023-07-02)」より
キンセンイシモチの産卵に立ち会えました。
すぐ海藻に紛れるので、何度も見失って何度も焦りましたが、最後は見えるところで産んでくれて良かった〜。
キンセンイシモチの産卵は、ずっと「早朝にやるもんだ」と思い込んでいましたが、数年前にH氏が必ずしもそうではないことを証明してくれたので、安心して狙えました。それがなかったら、そもそも狙ってなかったかも知れません。多謝。
2023年の大瀬崎には、例年になく越冬キンセンイシモチがたくさんいるので、狙い目ですね!
(2023-07 大瀬崎 -1m)

お勧め Watching Point

夏~秋にはIOPでも普通種ですが、越冬することはそんなに多くないかも。

レア度

★★☆☆☆:季節や環境を選べば出会える可能性大!